病気になりやすい子牛、どう育てればいい?
勉強会で学んだことを哺乳の現場で実践しています。
餌やりや牛舎の掃除、搾乳など幅広く牧場の仕事を担当していますが、やっぱり一番楽しいと感じるのは子牛の哺乳と育成です。世羅牧場では、毎日1〜6頭の子牛が生まれ、全部で150〜200頭近くの子牛を育てています。子牛は病気に罹りやすく、元気に育てることが本当に難しい。だから、生まれた時からどうやって病気を予防するかを日々考え、できるだけ早く病気を察知して、投薬がスピーディに行えるように心がけています。新たな取り組みで効果があったのは、子牛にネクスト乳を飲ませることです。生まれてすぐの子牛に初乳を飲ませると免疫ができることは知っていましたが、本場の勉強会に行った時に、ネクスト乳を飲ませると免疫・抗体ができやすくなり、体も大きく早く育つと教わったんです。学んだことを持ち帰ってさっそく実践したところ、病気になる子牛が以前よりもずっと少なくなりました。自分の子どものようにかわいいbabyたちに、効果の出たことがとても嬉しかったです。
乳牛の人工授精(AI)と繁殖管理も任されています。発情すると他の牛にマウントしていることがあるので、いつもとは違う牛の様子をよく観察し、他のスタッフからも情報を集めて、受精させるタイミングを見逃さないことが大事です。人工授精は、直腸から子宮頸管の位置を手で探りながら、もう片方の手で注入器を子宮まで通していかなければなりません。手の感覚をつかむには訓練が必要で、今は実践で経験を積ませもらっています。場長は父親のような存在ですね。今でも「ご飯食べたか?」って聞いてくれますし、人生のアドバイスもしてくれます。ミスをしても怒らず、優しく教えてくれる姿勢は今も変わりません。言葉や習慣が違っていても、辛抱強く理解してくれたことに感謝しています。スタッフのみんなで、これからもっといろいろな改善に取り組み、頑張って牧場規模の拡大に貢献したいですね。それが今の私の目標です。