竹田耕治

10年以上たっても、
毎日が予想外の連続です!

いくら経験を積んでも思い通りにはならない酪農の世界。
それでもこの仕事はやめられません。

これで大丈夫ということは絶対ない。牛って安心できない!

入社して10年以上になりますが、わかったのは酪農の仕事に完璧はない、ということです。できるようになると余裕は持てますけどね。牛の治療が満足にできたつもりになって、これで大丈夫だと思っていても死にそうになったり。今でも予想外のことばかりで、経験をいくら積んでも思い通りにはいきません。自信があってもそれだけではダメで、毎日が勉強の繰り返し。イライラする時もありますよ。それでも、この仕事はやめられませんね。なぜかというと、餌をはむはむしている牛を5分くらいぼ〜っと見ていると癒されてしまうから。牛に話しかけたりしていますよ。「うまそうに餌を食べてるな」とか「軟便が出てないか?」とか。でも、そうやって牛の調子を見ながら、一方で利益を上げるためにどうすればいいのかシビアに考えています。一頭当たりの乳量を上げるために、餌のブレンドの仕方や牧草の質を変えて、乳量と健康のバランスが取れるところをいつも模索しています。

個性の強いスタッフたちをリーダーとしてどうまとめていくか

現在、リーダーとしてスタッフをマネジメントしていくポジションにいます。吉浦牧場の場合、仕事のやり方はトップダウンじゃなくて、入社して2〜3年目で担当が付くと、仕事は自分で考えてやるようになっています。牧場全体の一日の仕事をイメージングして、みんなでしなければならない仕事は、朝のミーティングで話し合って決めますが、それ以外はスタッフのやりたいことを大切にしています。まとめようとしても思い通りにはいきませんよ。個性が強い人が多いですからね。みんながやりたいようにやるのでいいと思っています(笑)。本場長が今までやっていた経営面も任されるようになったので、みんなで「ああしよう、こうしよう」と相談しながらやっています。でも、それができるのも一週間くらいの単位の話。まだまだ足下にも及びません。本場長は常々「もう引退するぞ!」と言っていて、今後の牧場のことを何かと相談してくれることがうれしいですね。早く引退させてあげて、楽をしてもらいたい。そのためにも、4名いるリーダークラスのスタッフたちと協力して、今の4〜5年目をしっかりと育てていきたいと思います。